OCピル(経口避妊薬)とは卵胞ホルモンと黄体ホルモンという女性ホルモンを人工的に合成した経口避妊薬です。 毎日同じ時間に服用することにより、ホルモンの働きで女性のからだを妊娠中に近い状態にして排卵しないようにします(避妊効果は95~99%といわれています)。
ピルには高用量、中用量、低用量とあり、このなかでも低用量ピルは安全性が高く副作用が 少ないとされています。
低用量ピルは飲み忘れず規則正しく服用していれば避妊効果は抜群で月経不順が解消されたり、 月経時の痛みや出血が軽減、貧血の改善といったメリットがある反面、多くはありませんが飲みはじめに吐き気や頭痛といった副作用がある場合もあります。
慣れれば症状もなくなりますがひどい目眩や頭痛が続く場合は薬が身体に合わない可能性がありますので医師に相談してください。
販売されている低用量ピルには、21錠タイプと28錠タイプがあります。
21錠タイプ・28錠タイプどちらも、実薬が21錠であることに変わりはありません。
28錠タイプでは、飲み忘れを防ぐためと毎日服用する習慣をつけるために、7錠の偽薬がついています。
偽薬服用中が休薬期間になります。なお、28錠タイプの7錠の偽薬は飲み忘れても、効果に影響はありません。
なお、当院では28錠タイプのみ取り扱っております。
OCを服用すると、卵巣ホルモン(エストロゲン、プロゲストーゲン)が血液中を循環します。
血液中に十分な濃度の卵巣ホルモンが満たされていると脳がごまかされます(偽妊娠状態)。
脳が、「卵巣を刺激しホルモン分泌を促す必要がない」と判断して、卵巣からの排卵が抑制されます。
「プロゲストーゲン」の働きで、子宮頸管粘液の性状が変化して(粘性を高める)、精子を子宮内に入りにくくします。
OC服用で子宮内膜が薄くなり、たとえ排卵が起きた場合でも、受精卵が着床しにくい状態になり、妊娠を防ぎます。
正しく服用すると、ほぼ100%の高い避妊効果が得られます。
避妊効果が下がる原因は、 飲み忘れ、ひどい下痢などの病気、他の薬との組合わせ、ハーブなどのお茶の大量摂取があります。
月経痛の軽減、 月経血量の減少とそれによる貧血の改善、 月経不順の改善、 PMS(月経前緊張症/月経前症候群)の改善、 月経移動(月経の開始日を自由に変更)
卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)の予防、 子宮外妊娠の予防、 子宮内膜症の予防、 骨盤内感染症の予防、 子宮体がんの予防、 乳房良性疾患の予防、 月経関連
ニキビや多毛の改善 更年期障害、骨粗鬆症の予防
気になるピルの副作用には、吐き気や頭痛、むくみなどの症状が挙げられます。どれも最初の2~3日でおさまる一時的なものです。
人によっては1ヶ月程度続くこともあるようですがどれも軽度のものなので心配ありません。
もし副作用がきついと感じたら、医師に相談してピルのタイプを変えてもらいましょう。
※年齢や生活習慣、既往症、喫煙習慣などによって制限があります。
以下の条件に該当する場合はピルの処方ができません。
ピル(OC)は、「太る」「副作用が怖い」などの先入観からまだまだ敬遠されがちですが、欧米では「女性の意思で妊娠をコントロールできる避妊法」として広く認知されており、正しく服用すれば、ほぼ100%避妊できます。
現在日本で使用できる方法の中でもっとも信頼のできる避妊法です。
「コンドームを付け忘れた!」、「コンドームが破れた!」 などの時に望まない妊娠を避ける為に、役立つのが緊急避妊法(アフターピル)です。
※アフターピルを希望する場合には、性交後72時間以内に受診をしてください。
※この薬を服用することで完全に妊娠が回避できるものではありません。
※中絶薬ではありませんので、すでに妊娠している方には使用できません。
日本で多く使われているアフターピルは、主にヤッペ法 、ノルレボ錠の2種類があります。
一つが、ヤッペ法と呼ばれているプラノバール錠を使用した緊急避妊です。
このヤッペ法に使われるプラノバール錠は、もともと緊急避妊を目的とした薬剤ではなく、中用量ピルを転用したものでした。
摂取する女性ホルモンの量も多くなってしまうため、副作用も多く見られます。
厚労省が緊急避妊専用の錠剤として許可したのが、日本でもう一つの主流アフターピルとなっているノルレボ錠です。
ノルレボ錠はプラノバール錠よりも副作用が少なく、効果も高いと言われています。
性行為後72時間以内に1回だけ服用します。
避妊効果 | 吐き気 | 嘔吐 | 厚労省認可 |
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85% | 9.02% | 0% | 承認 |
※当クリニックでは、効果が高く副作用の少ない、厚労省認可のノルレボ錠を処方しております。
旅行や受験・大切なイベントなど、生理を避けたいときはありませんか?そんなときは、ピルを服用することで月経を移動させることができます。
ずらしたい月経のひとつ前の月経期間中(5日目まで)にピルの服用を始めます。
10日間〜12日間ほど飲み続け、飲み終えてから2日〜3日で月経がきます。
この方法では、月経を避けたい期間中に薬を飲まなくてすみますが、ずらしたい月経のひとつ前の月経期間中(5日目まで)に受診が必要です。
月経予定の5日前からピルの服用を始め、避けたい日まで飲み続けます。ピルを服用している間は月経がきません。
その後、飲み終えてから2日〜3日で月経がきます。この方法では、月経予定の5日前までに受診してください。
お薬の錠数によって費用がかわります。
服薬指導・相談料(¥1,080)+お薬代(1錠 ¥200)